July 11, 2024
本記事では、チャットボットの導入を検討している方が、世の中に存在するチャットボットの種類を理解できるよう、AI搭載・非搭載、生成AI・機械学習AIのチャットボットにカテゴライズして、運用面、導入フローなど具体的なイメージをしながら選定できるよう解説をしています。
AIチャットボット導入フローについて生成AIチャットボットと機械学習チャットボットの違い

☞チャットボットを導入するメリットとは? 


チャットボットが広く普及してきた背景の一つにモバイルシフトがあります。メッセージングアプリやGoogle検索等が主流になると同時に、スマートフォン上で気軽にチャットして疑問点や問題を解決するというユーザーニーズが高まってきています。

現にHubspotの調査レポートによると「40%の購入ユーザーは質問が解決できるのであれば、対人でもAIでもどちらでも気にしない」という自己解決型のユーザーであることがわかっています。

顧客からよくある質問はAIに任せ、複雑な要件については人が対応するという座組を確立することで、特に法人ビジネスへのチャットボットの導入は、時間と費用の節約が期待できます。Juniper Researchによると2024年までに、チャットボットはビジネスに25億時間の労働時間を節約すると予想されています。

法人ビジネスの効率化の文脈だけでなく、チャットボットはユーザーとのコミュニケーションを促し、サービスの理解促進やエンゲージメントを高めることも期待できます。ウェブサイト、問い合わせ窓口など複数のチャネルから受ける顧客の質問に24時間365日迅速に対応することは、ロイヤルカスタマーのエンゲージメントを向上することに繋がり、見込み顧客の獲得において機会損失を減らすことにもなります。

☞チャットボットの種類


チャットボットの種類は、チャットの仕組みによって大きく3つ、AI非搭載シナリオ型、AI搭載機械学習型、AI搭載生成AI型に分けることができます。AIを搭載していないチャットボットは運営者が設定したルール通りの会話を行います。AIを活用したチャットボットは、インプットしたデータから学習をして柔軟でより人とのコミュニケーションに近い会話を実現します。


[非AI] シナリオ型(ルールベース)チャットボット

ルールベースのチャットボットは、運営者が会話のルールを定義し、条件分岐を通じてユーザーの質問に対処し、正確な回答を導きます。


導入ポイント:シナリオ型チャットボットは一般的に低価格での導入ができ、すでに問い合わせ内容の傾向がわかっている事業者にとっては問い合わせ業務負荷を軽減するツールとして有効です。一方、シナリオ型のチャットボットは自動案内の側面が強いため、ユーザーが求めている解を一発で応答できないケースがあり、問い合わせ内容が解決できない場合があります。また、FAQの作成や条件分岐の設計は運営者側が用意しないといけないため、条件分岐のテンプレートが用意されているか、FAQの登録作業が煩雑でないか、導入前に確認するといいでしょう。

導入フロー:

1. 現状の問い合わせ内容の分析を行いチャットボットでユーザーの課題を解決できる範囲を定義する。

2. 過去の問い合わせ履歴を元によくある質問(Frequency Asked Question, FAQ)」を作成する。

3. 特定の条件に合致する場合のみ、特定の回答を提示するなど、条件分岐を設定。

4. チャットボットの運用フィードバックに基づいたシナリオの修正や改善。


[機械学習AI] 一問一答型(FAQ型)チャットボット

ユーザーがテキストで打ち込む質問に対して回答を出すという、一問一答型のチャットボットはAIが搭載されているケースが多く、使えば使うほどAIが賢くなるという機械学習を進めるためのデータ入力が必要になります。

導入ポイント:機械に学習してもらうため、機械が理解しやすいデータを運営者が用意する必要があり、一般的にFAQの作成を求められることが多いです。FAQは随時更新が必要で、FAQデータが多ければ多いほど学習は捗ります。ユーザーの質問に対して適切な回答を探し出す一問一答型の会話を実現するために有効なチャットボットです。一方、FAQ作成の工数が運営者側に負荷となる可能性があるので、学習期間やあらかじめチャットボット事業者が学習させたデータがどの分野のどんな問い合わせなのか確認するといいでしょう。また、機密情報漏洩の観点からチャットボットの使用開始をした際、自社のデータが事業者のチャットボットの機械学習に利用されるのか否かも確認しておくといいでしょう。

導入フロー:


1. FAQ作成にあたっての指示を事業者側から受ける

2. FAQの登録作業(一括アップロード可能か等確認)

3. 機械学習を進めるためのFAQの拡張

4. ログ分析、FAQ拡張もしくは聞き返し機能の追加

[生成AI] 対話型(データソース引用型)チャットボット


最新のAIチャットボットは、ChatGPTやBardが提供するプラットフォームのチャット機能を直接使う場合もありますが、第三者の事業者がChatGPT等のAPIを介した生成AIチャットボットを利用することができます。

導入ポイント:従来AIチャットボットは、導入単価が高く、AIの機械学習を進めるためにFAQ作成などのデータ整形の運用工数が必要とされていました。生成AIチャットはデータソースをインプットする運用面での工数を減らし、手軽にAIチャットボットの導入を実現できます。PDF、エクセル、ワード、どんなフォーマットでも、初期にチャットボットの開始にあたってデータソースの提供が必要になるため、元々顧客にアクセスしてほしい情報が手元にあった。いろんな問い合わせを受け、その対応に時間を取られていたという事業者は生成AIのチャットボットの導入が推奨されます。チャットボット事業者にあらかじめ、どの生成AIプロバイダーを利用しているのか、どのフォーマット形式のデータを受け付けているのかなど事前にヒアリングしておくといいでしょう。

導入フロー:

1. データソースの確認、フォーマットやコンテンツ内容(画像等)

2. データソースの登録

3. ログ分析、データソースの拡張もしくは聞き返し機能の追加

チャットボットの導入は、裏側の仕組への理解や専門知識が必要で、運用面の工数など導入後に負荷がかかるケースも多いため、AI搭載・非搭載、生成AI・機械学習AIのチャットボットなのか、自社のメリットデメリットを検討した上で導入することが大切です。

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チャットボットを導入する前に知っておきたいチャットボットの仕組み、技術、歴史、ツール、導入方法、導入事例、海外事情について解説をしています。